はじめに

Beethoven 

作品5 2曲のチェロソナタについて
 
チェロソナタ 第1番 Op 5-1

F. Schubert

アルペジョーネソナタ 1 2 3  5

 

 

 

 

 

 

 

2011年秋 リサイタルシリーズ

もくじ

アルペジョーネ余話 

シューベルトの自筆譜

 

先日ここにシューベルトの自筆譜の事を書いたらさっそくFacebook経由でお知らせがあり難なく自筆譜のコピーを手に入れる事が出来た。インターネットの恩恵である。
  さっそく先日書いた疑問箇所を見てみた。まず2ページの表紙の後の楽譜第一ページを見てかつてこのページを見たことがあったことを思い出した。ギター表記ではなかったかと思っていたのはそのとおりで、全てギターのようにト音記号で書かれている。表紙2ページ目に1823年ウイーンのシュタウファーが製作した楽器と但し書きがあり、その下にアルペジョーネの調弦法が示してある。 この調弦法に記譜方のことわりがきは無いがアルペジョーネの音域はギターと同じで実音はこの記譜の1オクターブ低い事は言うまでも無い。

 先日書いた疑問点だが全て筆者のあらぬ嫌疑であった事が証明された。第一楽章のM161から4小節は自筆筆はチェロの記譜の1オクターブ上であるので実音に直すとこのようになるのが正しい。(譜例はM163からである)

 第二楽章アダージョの冒頭は昔から是非見てみたい所だったが、この自筆譜を見ると全く何の疑いようも無いくらいはっきりと書かれている。

 そうすると[ソ−ソ−ソ]と今まで弾かれていたバージョンはどこから来たのだろうという疑問がわいてきた。19世紀は今と違って一般的に演奏者や作曲家は他人の曲をかなり自由に自分の好みに合わせて変えて弾く風習があって、シューマンやリストですらそういうことを結構平気で行っていた。この部分の音を変えて出版したのはもしかすると1871年の初版あたりだったのではないかとも想像してみる。

 

 

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