ゴールドベルグ変奏曲

 

 

2006年1月6日

 

 ゴールドベルグ変奏曲の弦楽三重奏版が、ドブリンガー版から出ています。 D.Sitkovetskyが編曲した作品です。以前リヨンで自作の編曲を演奏する予定があったのですが、中止になって編曲を途中までやりかけのままになっていました。今回このドブリンガー版を弾いて見て、不満の残るいくつかの中から20番と29番を以前から考えていたやり方で書いてみました。  

29番変奏曲の原曲は左右の手でそれぞれ、h-d-gとa-c-fisの和音を交互に2段の鍵盤で弾くようになっています。2段鍵盤の特性をフルに生かした効果が素晴らしく華麗な変奏曲です。この効果を3台の弦楽器でどうやって出すかが、編曲の面白みでもありました。こんな風に書いてみました。


 
  
  20番の方も同様に2段鍵盤用のヴァリエーションですが、シトコヴェツキー版はわりに平面的に音を扱っています。しかも弾きやすくする為と思われますが原典の音も変えてあるのが残念です。原曲では左右の手で交互に16文音符を弾くように書いてありますが、そのとおりに弦で弾くのは不可能と判断してのことでしょうが、少し違う響きの音楽になっています。ぼくはこのヴァリエーションは、思い切って原典どおり、左右の手を二台の楽器に割り振って書いてみました。一部こまかい細工は必要でしたが、耳に聞こえてくる最終的効果は、オリジナル音以外出てきません。テンポを少し遅めに取らないとかなり難しくなるでしょうが、結果は意外に面白い感じに響きました。

 

4月29日 加筆

 



     
           

 

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